管理人よりお知らせ
2015.11.01 Sunday |
夏海と座木 ss-2
2015.10.19 Monday |
『メープルリーフパンケーキ』
「見たら回せって」
座木さんが渡してきたのは、来月の講習会に参加するかどうかの回覧だった。
「はーい。名前、ふりがな、生年月日っと」
話があった時から参加を決めていたオレは、手近にあったペンで記入した。
「座木さんって、安芸文(アキフミ)なのに6月生まれなんですか?」
先に書いてあった文字を見て、思ったことを口にした。
「俺のアキの字は季節じゃなくて、広島の安芸と同じなんだよ。そういうお前は夏海(ナツウミ)だから、8月か?」
回覧板を取り返した座木さんは、オレの生年月日を見て吹いた。失礼な人だ。
「11月って、冬の入口だろ」
「いいじゃないですか、オレは気に入ってるんだから」
再度取り返して、机に置いた。
「思い出した。ねぇねぇ座木さん、メープルリーフパンケーキって知ってます?」
「知らねぇ」
「即答だし。ツイ●ターで見たんだけど、外国の人がもみじ饅頭のことをメープルリーフパンケーキって呼んでたんだって。すげぇ納得した」
「……それで?」
「いや、安芸文って名前見たら思い出したから」
「……。」
「わー!!なに人が書いた申し込み消してんですか?!」
手近にあったシャープペンで書いたのが間違いだった。まさか高速消しゴムかけで消されることになるなんて、思ってもいなかった。
くそぉ、と言いながら書き直し、次の人の机に回覧板を回した途端、携帯にメールが入った。
「もみじ饅頭通販申し込み確認メール?!」
「お前の名前で、着払いにしといてやったから」
座木さんが、ニヤニヤしながらオレを見た。
くそぉ、絶対食わせてやらないからなー。
【恋のしっぽは右まわり(仮)】スピンオフss
2015.10.19
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