番外地

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メープルリーフ後日談                 
もみじ饅頭は、部長が買ってくれた高いお茶と一緒に、部のみんなで美味しくいただきました。
(高いお茶の淹れ方なんて知らないから、物知りな先輩職員さんにお願いした)
ちなみにお金は、部長が出してくれた。
一生ついていきます。
(篠乃目夏海)
: original : - : - : posted by あもう灯留 :
夏海と座木 ss-2                 

『メープルリーフパンケーキ』 
 

「見たら回せって」

 座木さんが渡してきたのは、来月の講習会に参加するかどうかの回覧だった。

「はーい。名前、ふりがな、生年月日っと」

 話があった時から参加を決めていたオレは、手近にあったペンで記入した。

「座木さんって、安芸文(アキフミ)なのに6月生まれなんですか?」

 先に書いてあった文字を見て、思ったことを口にした。

「俺のアキの字は季節じゃなくて、広島の安芸と同じなんだよ。そういうお前は夏海(ナツウミ)だから、8月か?」

 回覧板を取り返した座木さんは、オレの生年月日を見て吹いた。失礼な人だ。

11月って、冬の入口だろ」

「いいじゃないですか、オレは気に入ってるんだから」

 再度取り返して、机に置いた。

「思い出した。ねぇねぇ座木さん、メープルリーフパンケーキって知ってます?」

「知らねぇ」

「即答だし。ツイターで見たんだけど、外国の人がもみじ饅頭のことをメープルリーフパンケーキって呼んでたんだって。すげぇ納得した」

「……それで?」

「いや、安芸文って名前見たら思い出したから」

「……。」

「わー!!なに人が書いた申し込み消してんですか?!」

 手近にあったシャープペンで書いたのが間違いだった。まさか高速消しゴムかけで消されることになるなんて、思ってもいなかった。

 

 くそぉ、と言いながら書き直し、次の人の机に回覧板を回した途端、携帯にメールが入った。

「もみじ饅頭通販申し込み確認メール?!」

「お前の名前で、着払いにしといてやったから」

 座木さんが、ニヤニヤしながらオレを見た。

 くそぉ、絶対食わせてやらないからなー。


【恋のしっぽは右まわり(仮)】スピンオフss

2015.10.19

: original : - : - : posted by あもう灯留 :
夏海と座木 ss-1                 

   『理不尽なこと』


オレ、篠乃目夏海(しののめ
なつうみ)25歳、独身。某市役所勤務。

只今、同じ部署の座木安芸文(ざき あきふみ)28歳に絶賛片想い?中。

 

「はぁ…ダリぃ…帰りたい…」

「……。」

山のように、書類や回覧板や、保険屋のおばちゃんがくれたチラシが乗っている机の隙間に突っ伏して、言ってみる。

「腹減ったし」

「……。」

俯いて腹を撫でてみる。
相槌くらい打ってくれればいいのに。

オレはクルリと椅子を回して、ノートパソコンの画面をスクロールしている座木さんの方を向いた。

キーボードを叩いてはいないから、内臓のゲームでもやってるんだろう。

座木さんはタバコを吸う人だけど、所内は禁煙だから、今は棒付きの飴を舐めている。

「見てよ、もうみんな帰っちゃったし、フロアで電気点いてるのここだけじゃん。ラーメン食べに行こうよ。ねえ座木さ、」

「シノ」

手を止めて画面から顔を上げた座木さんが、咥えていた飴でオレを指した。

「ちょっと黙って、目瞑れ」

「えっ」

夜のオフィスに二人きりって、まさかこの展開は……。

期待しながら目を閉じると、座木さんの手がオレの顎を掴んだ。

「んぐっ?!」

驚いて目を開けると、棒付きの飴が口に突っ込まれていた。

「お前はさっきからキャンキャンと煩いんだよ。こっちは地権者からの電話待ちしてんだっつーの。ただでさえヤニ切れで苛々してんだから、少し黙ってろ」

言いたいことを言った座木さんは、ピタピタとオレの頬を叩いた。

「ふぁーい」

結構甘いなこれ。

「座木さん、これ何味?」

「たしかプリン」

「自分で買ったんじゃないの?」

「緒田さんがくれた。もう飽きた」

「だからってオレに寄越すかな、もう」

プリン味の飴をモゴモゴしてると、座木さんがふっと笑った。

本当は、オレが残ってても意味は無い。無いんだけど、座木さんは、オレが明日スムーズに仕事が出来るように残ってるから、関係無くはない。

座木さんはわざわざ言う人じゃないし、そういうところも好きだと思う。

 

タイミングを計ったように電話が鳴り、オレは息を潜めた。

書類を確認しながら、時々メモを取りながら話す姿を見ていたら、電話を切った座木さんが言った。

「見てんじゃねぇよ」

「いきなりそれ? ひでぇ」

笑って立ち上がり、帰りの支度を始めると、座木さんが書類を引き出しにしまいながら言った。

「さっさと飯食って帰るぞ」

「飯行くの?」

オレは一人暮らしだけど、座木さんは実家暮らしだ。帰れば夕飯はあるだろうし、真っ直ぐ帰るものだと思ったのだけれど。

「帰ったらすぐ寝たいんだよ。で、どうするんだ?」

「行く」

即答した。
 

飴に付いていた棒をゴミ箱に捨てて、天井の電気を消す。

味噌だ醤油だと話しながら階段を降りるオレ達を知っているのは、非常灯と月の光だけだった。

 

 

  【恋のしっぽは右まわり(仮)】スピンオフSS

       2015.08.16

 

: original : - : - : posted by あもう灯留 :
いきぬきは                 
息抜きで
生き抜き
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ループ                 
君は君であって君じゃない
僕も僕であって僕じゃない
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源                 
後悔じゃなく
悔しさ
: original : - : - : posted by あもう灯留 :
ゆるし                 
泣いていいのは
いまの自分を
塗り替えたとき
: original : - : - : posted by あもう灯留 :
I can                 

「わたしは女優なの」と言って、夜のメイクでフロアにでるカノジョはキャバ嬢。

「俺はミュージシャンなんだ」と言って、1人カラオケでエアギターを弾くカレ。

「僕達もいかなくちゃ」と言って、屋上で巣に向かう鳥を見ている10代のカップル。

大概のものにはなれる。

: original : - : - : posted by あもう灯留 :
そのこころは                 

中身が空になった合法ドラッグの殻は、
使用済みの避妊具に似ている。

: original : - : - : posted by あもう灯留 :
土壌に酸性雨                 
決してきれいな土ではなかった。
それでもいつもそこにあって、陽も月も星光も浴びて幸せだった。
時々やってくる風も雨も雪も、みんな好きだった。

ある日、痛い雨がやってきた。
刺してくる、沁みてくる、破壊される。

キミハダレ!?
ワタシハ新種…ソウヨバレテル

土壌は耐えた。
新種は自分のことを知らないのか。
だったら、自分がわかってあげなきゃ。
そして、他の雨や雪のように深く眠らせて、また帰っておいで…と送り出すんだ。

けれど、酸は強かった。
土壌の痛みは永く続いて、次第に声が遠くなった。
酸は、自分が来たから土壌が弱ったんだと理解した。
けれど、その考えはいつしか逆になっていた。

耐え抜いた土壌は酸の棘を丸くして、小さな本当の姿に変えていた。

声は小さくなったんじゃない。

ワタシガトオクニキタノカ

次の時、キミは覚えてないけど、バイバイ またね。また帰っておいで…
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